トップ位牌の値段によってなにがどう違うの?~パート1~

位牌の値段によってなにがどう違うの?~パート1~

実はすべての工程で違うのです!

①素材の違い

位牌の素材である『木』は非常に重要です。比較的安価な位牌は、製作前の木材の乾燥が不十分なことが多く、札が反ったり、ねじれたりといった不具合が起こる可能性が高いと言われています。一方、高額品は素材である『木』を、何年も時間をかけ十分な自然乾燥をさせるため、反ったり、ねじれたりといった問題が起こりにくいと言われております。そして高額品には、国産ヒノキ、朴の木、シナ、紅松、黒檀、紫檀、ケヤキなどの上質な高級素材が使われています。

②彫刻レベルの違い

位牌の木地は、正確な成形(美しい外形造り)と緻密な彫刻が求められます。彫刻の良し悪しは、木地師の腕によります。仏像彫刻をする仏師は、よくマスコミに取り上げられるのでご存知の方もいらっしゃるでしょうが、位牌の木地師もいます。当社「まつたに」の位牌彫刻には職人技が生きています。

③下地の違い

次に塗りの原点の下地塗りです。安価品の中には、札木地の裏表両面にプラスチック状の下地代わりの板を貼り付けたものがあります。これは将来、木とプラスチックの接合面に割れが入る恐れが懸念されます。サーフェーサーという化学塗料の下地を使う場合もあります。また、安価品は下地を塗る回数と研磨の回数が少ない場合があります。
一方で、高額品は、天然素材たる胡粉(牡蠣の殻の粉末)下地を塗ります。そして、下地塗装後は、砥石やペーパーを使って塗面を研ぎます。高額品は、塗っては研ぎ塗っては研ぎを何度も繰り返す工程が安価品に比べ多く、これにより鏡のように美しい塗面に仕上がります。見比べていただくと、おそらくその美しさにお気づきになられると思います。

⑤金箔、金粉の純度や加飾の仕方による違い

次に最終仕上げの金箔、金粉による加飾です。実は安価品の中には、本物の金粉を使わずに金色塗料というものを塗ってあるものがあります。また、本物の金箔、金粉を使っていても、技術が未熟なため金箔にしわが入ったり、つやが悪かったり、金粉の色がくすんでいたりするものもあります。
金の純度により等級があり、高額品は、五毛色金粉(金純度98.91%でランクが最高級)のものやその次のランクの1号色、2号色金粉を使用します。そして、それを扱う職人も高い技術力を持って行うため、その美しさに違いがでます。

⑥蒔絵技法の違い

現在、脚光を浴びている蒔絵入り位牌があります。安価品の中には、蒔絵と表記して本来の蒔絵の手法で行っていないものがあります。スクリーン印刷とかシール貼りといった手法で蒔絵風のデザインを入れる方法です。これは、蒔絵ではありません。一方で、高額品の本物の蒔絵は、日本伝統の漆による手書き蒔絵です。長い歴史の中で確立されてきた手法で行うため、その繊細で優美な姿の違いにお気づきいただけることと思います。

⑦組み立て方の違い

最後に組み立てです。位牌は、数個の部品を組み合わせて完成します。その組み合わせが合っていないと、持ったときに部品がくるくる動いたり、あるいは、部品が抜け落ちたりすることがあります。非常に微妙で厳密な調整が必要です。何年も経つと木が乾燥して少し縮むので、ゆるくなります。そこまで計算してきつめに仕立て、組み立てておくのが職人技です。こだわりのものづくりはそういった細部にまで神経を使っています。

⑧まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。高いものが良く、安いものはダメかと言えば、必ずしもそうではありません。安価品の中にはコストパフォーマンスの観点から良いものもあると思います。位牌をお選びになる時、お亡くなりになった方を思われるそのお気持ちが、最も大切です。その上で、これらのことをご理解いただきたいと思っております。「心と技の品格」の弊社まつたにの位牌は必ずやそのお気持ちにお応えできるものと思っております。

 

このお話の続きはこちらに続きます。引き続きご一読いただければ幸いです。

また、国産位牌メーカー「まつたに」のホームページはこちらにございます。

 

↑