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位牌の製造工程

木地師、塗師(ぬし)、箔押師、蒔絵師といった名匠が、ひとつひとつの位牌に丹精をこめ、入念に仕上げていきます。伝統工芸品ともいえる仕上がりを誇る名品です。

原木の仕入れ・乾燥

原木の仕入れ・乾燥

札(文字を入れる部分)用として日本産のヒノキ、台座はベニマツ、シナなどの高級材木を仕入れ、当社倉庫で約3 ~ 5年間、十二分に自然乾燥させます。

木工機械加工

木工機械加工

乾燥させた原木を木工機械でカットします。

木地成形

木地成形

位牌の種類・サイズ・部品別に札と台座に分けて、カンナ、平のみなどで形を整えていきます。

木地彫刻

熟錬の木地師が、細部に至るまで真心込めて彫刻を施します。当社の製品は、台座の逆蓮華にうねりが多く、蓮の花びら一枚一枚まで鮮明に浮き出します。彫刻が終わると、ヒビ、キズ、ソリなどを検品し、木地の手入れ作業を行います。

木地ペーパー仕上げ

木地ペーパー仕上げ

各部品のすみずみまで(彫刻部分も)サンドペーパーで磨いていきます。こうして白木地が完成します。

下地塗装

下地塗装

動画でご覧いただけます。

熟錬の塗師(ぬし)が胡粉(貝殻の粉末)をニカワで炊き込んだ液を下地として吹き付けます。その後、乾燥させます。

下地研磨

下地研磨

一度乾いた下地に対し、水を含ませた砥石で練り上げ、ヘラで平滑にし、もう一度乾燥し、その後さらにペーパーで平滑にします。

中塗り

中塗り

しっかりと仕上げるために中塗りをします。(塗り重ねることで表面がきれいになり、塗りやせも少なくなります。)

中塗り後の札を乾燥

中塗り後の札を乾燥

充分な日数を置いて乾燥させたあと、再度キズ、ヘコミ、ムラなどを検品します。

中塗り乾燥後の研磨

中塗り乾燥後の研磨

充分に乾燥させたのち、最終の仕上げ塗りにひびかないように、細かいペーパーでていねいな研磨をします。
※工程08~10は製品及び部品によって複数回、繰り返します。

仕上げ塗り

仕上げ塗り

動画でご覧いただけます。

最後の塗装の仕上げ塗りです。仕上げ塗りには吹きつけ塗装、刷毛による手塗りの二種類があります。漆やカシュ―はデリケートな塗料で、ゴミやチリを嫌います。そのため塗装工程はクリーンルームで行います。

ロイロ仕上げ

ロイロ仕上げ

動画でご覧いただけます。

極上品は呂色(ロイロ)漆を塗り、炭研ぎ、胴摺り、摺り漆、鹿の角粉磨きを施し、艶を出します。呂色を施した位牌は顔が映るほどに光沢を放ちます。

金箔・金粉仕上げ

金箔・金粉仕上げ

動画でご覧いただけます。 動画でご覧いただけます。

箔押師(はくおしし)が、金箔仕上げ(本漆による金箔押し)および金粉蒔きをします。金箔・金粉は、剥がれにくく丈夫な箔つけ漆によって接着させ、湿度を加えたムロの中で二昼夜以上、乾燥させます。
※当社の高級位牌には、金沢製の“縁付金箔”といわれる文化財の保存に欠かせない金箔を使用しています。

蒔絵

蒔絵

動画でご覧いただけます。

創作位牌は、蒔絵師が台座に美しい蒔絵で加飾します。(漆で下絵を書き、金粉・色粉を蒔く、又は色漆で描きます。)
※他社の安価品は転写と呼ばれるシール貼りのような手法のものがあります。

組立て ~ 拭き上げ

組立て ~ 拭き上げ

完成した各部品を緩みのないように、しっかり組み立てます。完成品は、最終検品の後、きれいに拭きあげます。

箱詰めされ、全国の有名仏壇店へ出荷されます。