トップまつたに位牌職人シリーズ part5(塗装) 「どこにも負けない塗りを目指す」

まつたに位牌職人シリーズ part5(塗装) 「どこにも負けない塗りを目指す」

お客様に感動してもらうため、徹底的に品質にこだわります。

_DSC0845.aaa入社からこれまでについて教えてください。

現在、塗装部を担当しているMです。まず、『まつたに』への入社動機からお話しすると、会社が私の住まいのすぐ近くにあり、とても身近な存在でした。そして、知人も勤めていたので、ごく自然な流れのなかで学校卒業後すぐ入社しました。最初は木地彫刻を一年間行っていましたが間もなく塗装部に異動しました。

塗装の仕事内容と大変な所を教えてください。

塗装は主に二種類あります。刷毛による昔ながらの手塗(てぬり)とスプレーガンによるカシュー液のものです。漆は海外ではジャパンと呼ばれているように、古くから日本を代表する、とても優れた塗料です。漆塗の工程はまさに自然との闘いです。まずは季節。梅雨など湿度が高いと「縮む」という現象が起こり、製品としては出せません。その日の気温、湿度によって配合を変えたり、乾燥条件を変えたりしています。また、埃(ほこり)も天敵です。そのため毎日、朝一番の仕事は掃除です。隅から隅まで掃除をします。その徹底ぶりは、ご覧になると驚かれると思います。カシューの吹付は漆と違って一瞬の勝負です。ほんの瞬きの間、違った所にガンを向けてしまったら、それは不良品になってしまいます。カシュー塗とはそんな世界です。このように塗の仕事は緊張の連続です。ところが十数年前から社長はさらに精度の高い塗の仕上がりを求めてくるようになりました。正直、「それは無理ですよ」と思う時もありますが、会社の方針として、何処のメーカーにも負けない、確かな製品を市場に出すことを理念として掲げている限り、私もそれに応える責務を感じております。その結果、お客様にもご満足をいただき、さらに感動いただけたらうれしいです。_DSC0827aa

位牌製作にあたりどんな思いをお持ちですか?

時々、別注で変わった位牌の注文が入ることがあります。特別注文の位牌をつくるという事は、お客様の想像以上の労力や費用が掛かり、当然価格も高くなります。『まつたに』でお願いしたいという話があった時は、「よーし、何処にも出来ない、すばらしい位牌をつくってみよう。」と燃えますねー。それは、自分の腕をさらに磨くことになると同時に、後輩たちにも貴重な体験をさせることにも繋がります。

今の世の中、いろんな分野で効率や生産性といった概念によって、手仕事のかわりに機械化されました。ところが私たちの職場はまるで時代を逆行するかのように、人の手による仕事に固執しています。しかし、位牌という大切なものをおつくりする以上、けっして間違っているとは思っていません。きっと手仕事ならではの品格ある本物の美しさをお伝えしていけると信じています。

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