地域で普及度が異なる「塗位牌」と「唐木位牌」。両者の特徴と、故人にふさわしい一基の選び方をご案内します。
塗位牌は、全国的に普及しています。対して唐木位牌は、関東、東北地方に多く普及しています。他地方でも扱いがありますが、近畿地方では、唐木位牌を全く扱っていない仏具店が多数あります。
唐木位牌のセールスポイントは、「質実剛健、丈夫で手入れしやすい、地味だが落ち着きがある。」といったところです。とりわけ「重量感がある。」のがわかりやすい特色です。首都圏の仏具店でお聞きした話です。来店された位牌のお客様に黒檀製位牌を奨める時に「お持ちください。重いでしょう! 重くてじょうぶな黒檀の無垢材でできているんです。」と言えば、説得力がある。と言っておられました。すると消費者のかたは、「塗位牌は、軽いからだめなんだ。」と誤解するのではないか?と危惧します。「塗位牌は、軽いほうがよいのです!」元来塗位牌につかう木は、桧、松、シナ、ヒバといった樹種で紫檀、黒檀にくらべてはるかに軽いのです。だからといって耐久性が劣るというわけではありません。(桧の最高峰である尾州桧は、他産地の桧よりずいぶんと軽いです。)
塗位牌には、豪華な総金箔や総金粉仕上げのものから、部分的に金加飾した面金、面紛仕上げのものがあります。さらに金の分量が少ない、ワンポイントだけ金がついているものもあります。
黒塗りだけでなく、タメ塗りなど様々な色ものの塗位牌があります。
蒔絵、彩色入りなどの加飾法もあります。バリエーションが豊富で昔から伝統的に作られています。(位牌ときいて、思い浮かべるイメージは、塗位牌でしょう。)
「塗位牌と唐木位牌のどちらを選ぶか?」現在すでにお祀り中の位牌があれば、それに倣うのが、間違いない選択法です。
代々、塗位牌が並んでいる隣に唐木位牌がくれば、全然異種のものが並ぶことになります。もちろんモダン位牌が隣に来ようが、お祀りする方のお気持ちですので、故人にふさわしい位牌を選べばよろしいのです。
初めて位牌を求められる時は、今後は、その方の位牌に倣って選ぶことになるかも?ということを考慮に入れておいてください。ご両親のうち、お父様が先にお亡くなりになった時、お母様の位牌はお父様と同じ形のものに合わされるという場合が多いですので。(もちろん、お母様にはふさわしい女性らしい位牌を選ばれることもあります。)

