「五重座位牌を探しているのに、近くの仏具店に置いていない」というご相談をいただきました。実は位牌には地域性があり、関東では珍しい五重座位牌も、京都や高野山をはじめ西日本では古くから親しまれてきた伝統的な位牌なのです。
京型五重座(注1.)もしくは、櫛型五重座(櫛五重)という位牌があります。
「首都圏の仏具店をあたったところ、五重座位牌の取扱店がなかった。」という声をいただきました。そのとおり五重座位牌は、関東の仏具店では、取扱いがないのが普通です。
関西から西日本出身で首都圏に暮らす方が、以前からお祀りしている(引っ越しにともなって連れてこられた)五重座位牌と同じものを求めようとして見つからない。というご相談をうけました。
位牌の形には、地域性があるのです。仏壇も京型金仏壇、名古屋壇、大阪壇など各地方特有の形があります。
位牌の産地は福島県会津、名古屋、京都、和歌山県高野山です。(もっとも近年は、海外に生産地をもとめるのが主流になっていますが、本来の産地はこのようになっています。)
関東、東北地方では、会津型の位牌。中京、関西、西日本では、名古屋型、京型、高野位牌が普及しています。現在は、各産地(海外も含めて)が、他産地の形の位牌も作っています。ですが伝統的に関東では、うけいれられず、扱いのない位牌の種類の一つが、五重座なのです。五重座は、名古屋、京都、高野の伝統的な位牌の形なのです。しかも高級品です。逆に、猫丸、勝美、葵角切といった伝統的な会津位牌は、関西では、まずみられません。
冒頭で紹介させていただいたように、五重座位牌を関東の店頭でみることは、まずないでしょう。ネットで検索されるでしょうが、同じ名前の位牌でも、産地、制作者によって全く別物といえるくらい品質には、違いがあります。総高さ、彫刻などのディテール、塗り、金箔、金粉などすべての点において差があります。

一般消費者の皆様には、写真と価格だけでは、わかりにくいものです。品質について誠実に親切に教えてくれる業者をお選びください。とりわけ自社に扱いのない位牌に関しては、正確な説明、アドバイスはできないものです。
(注1)京型五重座:京型五重座吹蓮華 総金、総紛、彩色など各仕様すべてを含む。

